「iDeCoで将来のために資産形成をしているけれど、必要な書類は何?」
「会社員でも、確定申告をしないといけないの?」
iDeCoの年末調整や確定申告でよくある、このようなお悩みを解決します。
将来のためにiDeCoを始めたけど、実際にどのように申告すればいいのか分からずに困っている方もいるでしょう。
本記事では、iDeCoの年末調整や確定申告についてわかりやすく解説します。
この記事を読めば、iDeCoの年末調整や確定申告の悩みを解決できるので、ぜひ最後までご覧ください。
iDeCo(個人型確定拠出年金)とは?
iDeCo(個人型確定拠出年金)は、老後のために自分で積み立てる私的年金制度です。
掛金を毎月積み立て運用することで、60歳以降に掛金の合計金額や運用実績にあわせた金額を、年金または一時金という形で受け取ることができます。
ただし、原則60歳以降でしか老齢給付金を受け取ることができません。
受給開始は、受給権が発生する年齢(原則60歳)から75歳になるまでの間で選べます。
またiDeCoに加入すると、以下の3つの税制優遇を受けられます。

iDeCoは、掛け金・運用益・給付額に税制優遇があるのが最大の魅力です。
年末調整や確定申告で、実際にどれくらい軽減されるの?
iDeCoは、税制優遇があることが最大の魅力とお伝えしました。
掛金は所得控除であるため、支払った掛金の金額に応じて、所得税と住民税が軽減されます。
では、iDeCoの掛金がどれくらい軽減されるのか、実際にシミュレーションしてみましょう。
年収400万円・毎月5,000円を積み立てた場合
年収400万円で月々5,000円を積み立てた場合、以下のとおりです。
項目 | 金額 |
---|---|
掛金/月 | 5,000円 |
年収/年 | 4,000,000円 |
給与所得控除/年 | 1,240,000円 |
社会保険料控除/年 | 575,600円 |
基礎控除(所得税) | 480,000円 |
基礎控除(住民税) | 430,000円 |
1年間の軽減額は、
項目 | 軽減額 |
---|---|
所得税軽減額 | 3,000円 |
住民税軽減額 | 6,000円 |
税制優遇額 | 9,000円 |
年間で9,000円の税金が軽減されます。
年収800万円・毎月20,000円を積み立てた場合
年収800万円で月々20,000円を積み立てた場合、以下のとおりです。
項目 | 金額 |
---|---|
掛金/月 | 20,000円 |
年収/年 | 8,000,000円 |
給与所得控除/年 | 1,900,000円 |
社会保険料控除/年 | 1,151,200円 |
基礎控除(所得税) | 480,000円 |
基礎控除(住民税) | 430,000円 |
1年間の軽減額は、
項目 | 軽減額 |
---|---|
所得税軽減額 | 48,000円 |
住民税軽減額 | 24,000円 |
税制優遇額 | 72,000円 |
年間で72,000円の税金が軽減されます。
ご自身が、どれくらいの税制優遇を受けられるか詳しく知りたい方は、以下のシミュレーションをご利用ください。
iDeCoで年末調整・確定申告が必要になるケース
iDeCoに加入して税制優遇を受けるために、年末調整・確定申告は欠かせません。
しかし、iDeCoの申請を行う場合、年末調整と確定申告をどのように行なえばいいのか分かりにくいです。
それぞれの場合に対して、以下で詳しく解説するので一緒に見ていきましょう。
年末調整
会社員・公務員の方でiDeCoの掛金を個人払込しているのであれば、基本的に年末調整で申請をしましょう。
ただし、iDeCoの掛金を事業振込している場合は、年末調整が不要になります。
事業主振込とは、iDeCoの掛金を給与から天引きして納付する制度です。
iDeCoの掛金を事業主振込にしていると、毎月の納付や控除額の計算も事業主がしてくれており、年末調整をする必要はありません。
会社員や公務員の方は「事業主振込」にしている場合は、年末調整は不要だと覚えておきましょう。
確定申告
自営業やフリーランスの人は、iDeCoの掛金を所得控除に使う場合、確定申告で申請をしないといけません。
また会社員や公務員の方でも、以下の場合は確定申告を行う必要があります。
・年末調整で控除の手続きをしていない
・年末までの収入が2,000万円を超える
・副業など給与以外の所得が年間20万円以上ある
・医療費控除を受けている
・初年度の住宅ローン減税
このような場合は会社員や公務員であっても、確定申告をしないとiDeCoの掛金の所得控除が受けられません。
自営業やフリーランスでなくても、上記の項目に当てはまる人は注意しておくようにしましょう。
年末調整・確定申告の手順
年末調整や確定申告は、「面倒」や「煩わしい」と感じる人が多いです。
これから年末調整や確定申告の手順を、分かりやすく解説していきます。
以下の手順を参考に、年末調整や確定申告をおこなってください。
年末調整
年末調整の手順は以下の3ステップです。
年末調整の手順を、以下で詳しく紹介させていただきます。
毎年10月〜11月ごろに、国民年金基金連合会から「小規模企業共済等掛金払込証明書」という書類が届きます。
加入者が1年間でどれだけの掛金を支払ったかを証明する書類です。
年末調整で必要な書類なので、準備しておきましょう。

勤務先から「給与所得者の保険料控除申告書」という年末調整に必要な書類を受け取り、必要箇所に記入します。

「給与所得者の保険料控除申告書」の右下にあります「小規模企業共済等掛金控除」の「確定拠出年金法に規定する個人型年金加入者掛金」と「合計(控除額)」の欄に、「小規模企業共済等掛金払込証明書」に書かれている合計金額(その年の掛金総額)を記入してください。
STEP2まで記入できれば、「給与所得者の保険料控除申告書」に「小規模企業共済等掛金払込証明書」を添付して勤務先に提出してください。
勤務先での処理が完了すると、iDeCoの掛金で軽減できた所得税は、ほかの所得控除で軽減できた分と合わせて、12月の給料支払い時に還付されます。
また、住民税は翌年度の金額が軽減される形で戻ります。
確定申告
確定申告の手順は以下の3ステップです。
確定申告の手順を、以下で詳しく紹介させていただきます。
紙(書面)で確定申告
会社員や公務員と同じ時期に、国民年金基金連合会から「小規模企業共済等掛金払込証明書」という書類が届けば、無くさないように保管しておきましょう。
確定申告の書類を準備し、必要な項目を記入しましょう。

「確定申告書第一表」の左下にある「小規模企業共済等掛金控除⑭」の右側の空欄に「小規模企業共済等掛金控除」に記載された金額(その年掛金総額)を記入してください。
STEP2まで記入が終われば、「小規模企業共済等掛金払込証明書」と記入した「確定申告書」を税務署に提出しましょう
確定申告の期限は、翌年2月16日から3月15日までです。。
所得税分の還付金は、確定申告を提出した日から1か月 ~ 1か月半程度かかる見込みで、大体4月 ~ 5月頃を目安に確定申告書に記入した指定口座に入金されます。
住民税は、現金で還付されず翌年の住民税に反映されるので、覚えておきましょう。
ネット(e-Tax)で確定申告
紙で提出する場合と同様に、「小規模企業共済等掛金払込証明書」を無くさないように保管しておきましょう。
国税庁ホームページの「確定申告書等作成コーナー」で、確定申告を行なってください。
必要項目を順番に入力していくと、「控除の入力」の画面が出てきます。

この画面で「小規模企業共済等掛金控除」欄に、「小規模企業共済等掛金控除」に記載された金額を入力しましょう。
必要項目がすべて入力できれば、あとは申告書を案内に沿って送信してください。
所得税分の還付金は、書面で確定申告を提出したときと同様に、1か月 ~ 1か月半程度かかる見込みです。
上記のように確定申告は、紙面でもネットでも行なえます。
ネットでの利便性も向上しており、24時間いつでも申請できることを考えると、ネットで申請することもおすすめです。
あなたがやりやすい方法で、期限内に忘れないよう申請しましょう。
よくある質問
iDeCoの年末調整・確定申告に関するよくある質問は、以下のとおりです。
iDeCoの年末調整・確定申告に関するよくある質問をまとめましたので、ぜひ参考にしてください。
それぞれの質問について、以下で順番に見ていきましょう。
所得控除の申請を正しく行い、iDeCoで税制優遇を受けましょう!
この記事ではiDeCoの年末調整や確定申告についてを解説しました。
iDeCoの税制優遇をうまく利用して、将来のお金に対する不安をなくしましょう。
ただし、申請を忘れずに行わないと、税制優遇は受けられません。
e-Taxを利用すれば24時間どこでも申請ができるので、仕事が忙しい方でも時間を見つけて忘れないように申請しましょう。
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